【97番】百人一首の撰者となった大歌人!!権中納言定家!!


ジャンル:恋
時代:鎌倉時代 
超要約:来ないなあ

歌の意味(子ども向け):ずっとずっと、来ないあなたを待っています。
歌の意味:松帆の浦の夕なぎの時に焼いている藻塩のように、私の身は来てはくれない人を想って、恋い焦がれているのです。
☟この首に関するクイズ

Q この作者=藤原定家 は、何をした人か?
 

A 百人一首を選んだ。
 「小倉百人一首」を選んだ人として知られている。この歌のように叙情的な作品を得意とし、「有心体(うしんたい)」という表現スタイルを作った。

☆ゆかりの地巡り ⇨松帆の浦(兵庫県淡路市) ⇨藤原定家山荘跡(京都府京都市)

👇語呂合わせ(覚え方)


 作者は男性ですが、たずねてこない恋人を待ち焦がれる女性の立場になって詠んでいます。藻塩焼の火が、燃える恋心を間接的に表しています。

 「まつほの浦」とは、淡路島の北の端にある海岸のことです。この「まつ」には、「松」と「待つ」とを掛けています。「藻塩」とは、海藻を焼いて作る塩のことです。「こがれつつ」で、「恋いこがれる」と「(藻塩が)焼き焦げる」とを掛けています。「焼く」「藻塩」「焦がれ」は縁語です。さらに、この歌は「万葉集」の歌の本歌取りでもあります。

 「夕なぎ」について、瀬戸内海の海辺のようなところでは、特に夏の天気の良い日には、日中には海風が、夜中には陸風が吹きます。それが、朝と夕方で切り替わる時に、しばらく風が止まります。そのようなことを「なぎ」と言います。「夕なぎ」は、夕方のなぎのことです。松帆の浦では、そのような時に、藻塩を焼きます。めらめらと火が燃え、風がないから、その煙は高く高く、まっすぐ空に伸びていきます。その感じを、待っても来ない恋人を、じりじり、めらめらと身を焦がすように思っている女性の気持ちと重ねてみて、こう詠んでいるのです。

 作者である権中納言定家とは、ほかでもない、百人一首の撰者・藤原定家(ふじわらのていかorさだいえ)です。平安末期の大歌人藤原俊成の子として生まれ、正二位・権中納言まで出世しました。また、後鳥羽院(99番)に認められ、命(めい)を受けて、「新古今和歌集」の撰者の一人ともなりました。「新勅撰和歌集」の撰者でもあります。

 百人一首の撰者となった大歌人だけに、この歌も技巧のオンパレード。さすがですね!


☝️松帆の浦に行って来ました!
☝️藤原定家山荘跡に行って来ました!

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