ゆかりの地巡り2〜松帆の浦

「こぬ人を まつほの浦の夕なぎに やくやもしほの 身もこがれつつ」

 (97番)

  権中納言定家、つまり、藤原定家の歌です。藤原定家(1162年~1241年)は百人一首の選者。超有名人ですね!
 藤原俊成の子で、後鳥羽院の勅により「新古今和歌集」の選者になった一人でもあります。

 そんな有名人が、淡路島を舞台に、詠んでくれるなんて!早速、松帆の浦に、行ってきました!
 舞台となった「松帆の浦」は、淡路島の北の端の海岸(淡路市)です。

 松林の向こうに、明石海峡大橋が見えてきました。
 松帆の浦には、文字通り、松がたくさん生えていました。約800年前に、藤原定家も、この地でたくさんの松を見たのでしょうか?
 さらに、海岸寄りへ、歩いて行くと、歌碑が見えてきました!
 この石碑には、「来ぬ人を〜」って、刻んでいて欲しい、と心の中で祈りながら、近づいていきました。
 やったー!ここで正しかったんだ、と安心感があふれてきました!今まさに、藤原定家が詠んだ地にいるのだなと。
 さらに海岸側へ歩いて行くと、こんな見晴台がありました。これ以上は進めません。
 眼下には、砂浜が広がっています。釣りをしている人がいました。
 藤原定家の時代には、明石海峡大橋もなく、客船もなく、対岸の神戸や明石には、こんなにたくさんの建物もなかったんでしょう。どんな風景だったのでしょうか?
 この歌は、男性である藤原定家が、恋人を待つ悲しい女性を想定して詠ったものです。 
 恋人を待ち焦がれる心情を詠んだこの歌に、当時の女性の多くが、共感したのでしょうね。

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