お盆休みの前後、記録づくめの大雨続きで、どこにもお出かけできない日が続きました。時間を持て余した私は、五色百人一首の8月メニューを、選手になりきってやってみようと決心しました。「指導に生かせる発見があるかも知れない」と思いながら。
デモムービーに合わせてやってみるのですが、はじめは、一時停止したり、戻したりしないと、こなせませんでした💦「これを5色がんばるとなると、大変だ」と思いながら、青色から橙(オレンジ)色まで2セットずつこなす日々でした。しかし、数日続けても、上達があまり感じられなかったのです。当然(早くも!?)挫折しそうになりました。
そこで、1色集中の方針に切り替えました。「今日は青色ばかりやってみよう!」「何セット練習したら、変革できるのだろうか?とりあえず、1日10セットやってみよう!」。5セットを過ぎるころから、友札グルーピング(「あ」「お」「き」の友札)が頭に入り、それらの札が視界に飛び込んでくるという感覚を味わい、友札のみの時には「決まり字を聞いて、すぐに手が伸びる」という”確かな手ごたえ”を感じられるようになってきたのです。20枚全部並べた時に、「ありゃりゃ」「友札どこに消えた!?」という感じがあり、「これじゃまだまだだめ!」なのですが、その日感じた確かな手ごたえは、次の日にも頑張れる意欲となりました。
次の日、ためしに桃(ピンク)色の友札のみでやってみたら、青色の時同様、すんなりと取れる感覚がありました。【👈ここ重要!!】20枚並べると「ありゃりゃ」となったのは同じです。そして、再び青色で10セットを目標にやってみました。すると、昨日の「20枚でありゃりゃ」状態を解消することができたのです。不思議なことに、【👈ここ重要!!】一字決まり札を置きながら場所を覚えられるようにもなっていました。←友札配置暗記が確実にできたからこそだと思います。もちろん、「30秒での友札配置の暗記」や「決まり字変化のその都度確認」など、「できるじゃん!」と確信できるようにもなっていました。同時に、「早すぎる!」と難しく感じていた読み上げのペースが、だんだん心地よいペースだと思えるようにもなっていたのです。きっと私自身のこの上達の実感は、一度に10セットしたから味わえたのだと思うのです。(すぐに上達を感じられたのは、幸運だったのかも知れません!)毎日5色を2セットずつしていては、到底味わえない上達感だと思います。
ここで、特に初心者の子への提案です。それは、・・・
「自分に変革を感じるくらい、1色を徹底的に鍛えてみよう!」【👈ここ重要!!】
ということです。
下の画像をごらんください。多くの人は、上達イメージをAのようにとらえています。しかし、実際はBです。いや、Bととらえた方が、より良いのです。それは、なぜかというと・・・。
練習しても、なかなか上達しない、と感じる時、だれにでもありますよね。そんな時、Bの上達イメージを持っていれば、頑張り続けることができるからです。Aのイメージを信じていると、「なんで練習しているのに、自分は上達しないんだろう」と思って、挫折しそうになります。
下の画像にあるように、個人差は必ずあります。(みんなが同じ取り組みをして、同じように上達する、というのは、現実にはあり得ません。)
はじめは、一番弱かったBさんが、急に一番強くなりました!続けて、Aさんもぐぐんと強くなりました!ところが、Cさんは、なかなか強くなりません。これに近い例は、現実に、よくあることです。しかし、Cさんは、「うさぎとカメ」のカメさんのように、休むことなく、毎日毎日練習を頑張り続けることができました。なぜだと思いますか!?
それは、Cさんが(先に描いたような)上達イメージをちゃんと持っていたからです。「いつか自分にも、上達する時がやってくる。」と自分の伸びしろを信じていたからです。【👈ここ重要!!】
これもたとえ話ですが・・・、人が何かを頑張ろうとする時、神様から努力のつぼをいただきます。そのつぼの大きさは、だれにもわかりません。努力をコツコツとためていき、あふれた時に初めてつぼの大きさがわかる、というものです。小さなつぼなら、少しの努力であふれ出します。そして、少しの上達が手に入ります。大きなつぼなら、あふれ出すまでに、時間がかかります。それでもあきらめずにコツコツと努力を入れ続ける人こそ、大きな上達を手に入れることができるのです。こういう「どりょくのつぼ」というイメージも、知っていて損はないはずです!
反対に、練習をさぼる子はいつまでたっても強くならない!これについては、詳しく書く必要はないでしょう。
(ただし、たまにやる練習が、ものすごく効率的だったり、ものすごい特訓量だったりする場合は、レベルの引き上げは可能だと考えます。)
以上、知ってて損はない、上達イメージの話でした。個人差もあり、何をもって「強さ」とするかの定義づけの違いもあるところですが、私の経験則からおおよそこのようなものだと考えています。この上達イメージをもってすれば、下に書いたような「あるある」の説明もつくはずです。
【リアル練習あるある】
①後から五色百人一首をやり始めた子が、前からやっていた子よりも強くなってしまう。
②今まで勝てなかったお友たちに、いつの間にかよゆうで勝てるようになっている。
③練習していなかった色の対決でも、得意な色レベルとほぼ同じくらいのいい試合をできる。
④長い間病気をしていて、久しぶりに練習したが、すぐに以前のような感覚を取り戻すことができる。
⑤卒業した子が来て、現役の小学生と対戦してくれる時、ほぼ全盛期の実力を見せつけてくれる。
⑥ずーとがんばって練習しているのに、なかなか強くなったと感じられない。実際、大会でも、結果がよろしくない。
⑦ある日突然自転車に乗れるようになった、かのように、突然「自分って強くなったかも」と思える日がやってくる。
最後に・・・、普段のオンライン教室では5色やっていますが、「家でも5色やった方がいいですか?」という質問をいくつかいただきます。それについて、次のように考えています。
①「初心者は、5色全部頑張るのではなく、まずは1色をある程度まで極めることが大事」
・・・1色のレベルをある程度まで引き上げておくと、他の色に取り組んだ時に、同様レベルまで引き上げるのは、わりとスムーズにいく。それは、決まり字グルーピングの考え方=型(友札配置の暗記に始まり、友札が減るたびに残りの友札の場所と決まり字を確認する、という習慣)が身についているからです。
②「中級者~上級者は、(軽重をつけながらも)5色とも取り組むことが大事」
・・・「軽重」の「重」としては、①5色の中で一番得意な色のレベルをさらに引き上げる努力、あるいは、②二番目に得意な色のレベルをさらに引き上げる努力、あるいは、③一番苦手な色のレベルをさらに引き上げる努力、この①②③のどれかをすることで(もちろん全てでも👍)、目に見えない部分(プレッシャーに打ち勝つメンタル・みなぎる自信・集中力・どんな情勢にも対応できる力、などなど)がたくましく育つはずです!
👉一年前に書いたブログ
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