桃色札 クイズ 下書き

第1問

Q 百人一首の詠まれた時代の「美人の条件」は、髪が長いことである。〇か✖か?

この歌の意味

 (昨夜契りを結んだ)あなたは、末永く心変わりはしないとおっしゃっいましたが、どこまでが本心か心をはかりかねて、お別れした今朝はこの黒髪のように心乱れて、いろいろ物思いにふけってしまうのです。

A 〇

 百人一首のよまれた時代、女性たちの流行は、ロングヘアー。髪が長いことが美人の条件だといわれ、みんながこぞって髪をのばした。

 現在のようにシャンプーやコンディショナーなどない時代、長くのばした髪の手入れはたいへんだったようだ。米のとぎ汁(じる)でシャンプーしたり、植物性の油であらったりしていたようだ。

 自分の身長くらい髪をのばしていたというから、寝(ね)るときもたいへん。また、髪の薄(うす)い女性のためには、かつらまであったようだ。

第2問

Q 農民の生活を詠んだ歌は、いくつあるか?

この歌の意味

 秋の田圃のほとりにある仮小屋の、屋根を葺いた苫の編み目が粗いのふで、私の衣の袖は露に濡れていくばかりだ。

A 1つ。この歌のみ。

 天智天皇は平安時代には、歴代天皇の祖として非常に尊敬されていた。この歌は元々、万葉集の詠み人知らずの歌だったがそういうイメージから、口伝で伝えられるうちに、天智天皇作とされるようになったようである。


第3問

Q 富士山の山頂に雪が降っている景色を、作者は見たのだろうか?

この歌の意味

 田子の浦に出かけて、遙かにふり仰いで見ると、白い布をかぶったように真っ白い富士の高い嶺が見え、そこに雪が降り積もっている。

A 見ていない。想像である。

第4問

Q この歌は、好きな人へのラブレターである。この恋心は、相手に届いた。〇か✖か?

この歌の意味

 筑波のいただきから流れ落ちてくる男女川(みなのがわ)が、最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、恋心も次第につのって今では淵のように深くなっている。

A 〇

 この歌の作者、陽成院という人は、第57代天皇だったようだ。しかし、奇行が目立つ、直情的すぎるなどの理由で、廃位させられたとか。その後、即位したのは光孝天皇である。その光孝天皇の皇女に対するラブレターとして書かれたのがこの歌である。この歌を贈った後、願い叶って夫婦になれたらしい。

 好きな人への思いを募らせている人には、勇気をくれる素敵な一首である。


第5問

Q この歌は、別れの歌である。しかし、○○のおまじないの歌ともされている。何か?

この歌の意味

 お別れして、因幡の国へ行く私ですが、因幡の稲羽山の峰に生えている松の木のように、私の帰りを待つと聞いたなら、すぐに戻ってまいりましょう。

A 「再会」のおまじないである。

 この歌は「別れた人や動物が戻って来るように」と願掛けをするときに使われる有名な歌である。ユーモアエッセイの名手、内田百間(門に月の字)の本に「ノラや」という連作エッセイがある。その中でいなくなった愛猫、ノラが戻って来るように、このおまじないをするシーンがある。

第6問

Q 「吹くからに」の意味は?

①吹いているから

②吹くとすぐに

この歌の意味

 山から秋風が吹くと、たちまち秋の草木がしおれはじめる。なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのだなあ。

A ②

第7問

Q 天皇の開いた「忍ぶ恋」をテーマとした歌会で、1位を競ったもう一つのライバル歌は何か?

この歌の意味

 心に秘めてきたけれど、顔や表情に出てしまっていたようだ。私の恋は、「恋の想いごとでもしているのですか?」と、人に尋ねられるほどになって。

A 恋すてふ

 「拾遺集」の詞書では、この歌は960年に村上天皇が開いた「天暦御時歌合(てんりゃくのおほんときのうたあわせ)」で詠まれた。ここでは、「忍ぶ恋」の題で同じく百人一首に収載されている壬生忠見(みぶのただみ)の「恋すてふ」の歌と優劣を競い合った。

 しかしこの2首は、どちらも甲乙つけがたい名歌だったため、判定に困ってしまったのだが、天皇がこちらの歌を口ずさんだことで勝ちとなったという有名な話がある。

第8問

Q 「人目がかれる」とは、「人がおとずれなくなる」という意味である。〇か✖か?

この歌の意味

 山里は、ことさら冬に寂しさがつのるものだった。人の訪れもなくなり、草木も枯れてしまうと思うから。

A 〇

 冬の寒さや心細さがしみじみ感じられる一首である。

第9問


Q 作者は、年をとっているか、それとも、若いか?

この歌の意味

 誰をいったい、親しい友人としようか。(長寿で有名な)高砂の松も、昔からの友人ではないのに。

A 年をとっている。

 年老いてくると友人たちもだんだん死別して少なくなってくる。この歌はそうした老いの孤独を詠んだ一首である。


第10問

Q 「風をいたみ」とは、風がはげしい、という意味である。〇か✖か?

この歌の意味

 風が激しくて、岩に打ち当たる波が(岩はびくともしないのに)自分だけ砕け散るように、(相手は平気なのに)私だけが心も砕けんばかりに物事を思い悩んでいるこの頃だなあ。

A 〇

 「いたし」は「はなはだしい」という意味の形容詞である。「…(を)+形容詞の語幹+み」で「…が~なので」というように原因・理由を表す語法となり、ここでは「風が激しいので」という意味になる。

第11問

Q この歌は、作者の実方が、初めて書いたラブレターである。〇か✖か?

この歌の意味

 せめて、こんなに私がお慕いしているとだけでもあなたに言いたいのですが、言えません。伊吹山のさしも草ではないけれど、それほどまでとはご存知ないでしょう。燃えるこの想いを。

A 〇

 実方が思いを寄せる相手にはじめて心を打ち明けた歌である。詞書には「女にはじめてつかはしける」とあるので、ラブレターとして使われたわけだ。

 ちなみに、実方は時の宮廷サロンを賑わせたモテ男であった。

第12問

Q 作者は、あの有名な紫式部の友達である。〇か✖か?

この歌の意味

 有馬山の近くにある猪名(いな)にある、笹原に生える笹の葉がそよそよと音をたてる。まったく、そよ(そうよ、そうですよ)どうしてあなたのことを忘れたりするものですか。

A ✖

紫式部の娘である。

第13問

Q 作者の相模は、百人一首の撰者、藤原定家に好かれていた。〇か✖か?

この歌の意味

 恨んで恨む気力もなくなり、泣き続けて涙を乾かすひまもない着物の袖さえ(朽ちてぼろぼろになるのが)惜しいのに、さらにこの恋のおかげで悪い噂を立てられ、朽ちていくだろう私の評判が惜しいのです。

A 〇

 百人一首の撰者・藤原定家は相模の恋歌が好きで、定家撰の歌集には彼女の歌が多く採用されている。

第14問

Q 「もろともに」の意味は?

①一緒に

②たくさん

この歌の意味

 (私がお前を愛しく思うように)一緒に愛しいと思っておくれ、山桜よ。この山奥では桜の花の他に知り合いもおらず、ただ独りなのだから。

A ①

 人っ子ひとり見えない山奥に咲く美しい桜は、作者にとって天からの賜り物のように見えたかもしれない。

 つい、桜を人に見立て「一緒にしみじみ愛しいと感じておくれよ、山桜。お前の他に私の心を分かってくれる者はここにはいないのだから」と孤独をわかちあっている。

 清廉な印象のある歌であるが、それは毎日の厳しい修行に対する一服の清涼剤の役割を、山桜が果たしてくれたからであろう。

第15問

Q この歌は、ある男性から誘われた作者が、切り返しで歌った歌である。誘った男性と誘われた女性(紀伊)のどちらが年上か?

この歌の意味

 噂に高い、高師(たかし)の浜にむなしく寄せ返す波にはかからないようにしておきましょう。袖が濡れては大変ですからね。(浮気者だと噂に高い、あなたの言葉なぞ、心にかけずにおきましょう。後で涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから)

A 女性

 実はこの歌、男は29歳、詠んだ女性(紀伊)はなんと70歳。


第16問

Q この歌で言う「高砂」とは、何か?

①高級な砂

②高い山

③播磨国(今の高砂市)


この歌の意味

 遠くにある高い山の、頂にある桜も美しく咲いたことだ。人里近くにある山の霞よ、どうか立たずにいてほしい。美しい桜がかすんでしまわないように。

A ②

  「高砂」は、高く積もった砂だということから「高い山」の意味である。播磨国(現在の兵庫県南西部)にある高砂とは違う。


第17問 

Q この歌の作者は、百人一首の撰者藤原定家から見て、どんな関係の人か?

①いとこ

②友達

③父

この歌の意味

 この世の中には、悲しみや辛さを逃れる方法などないものだ。思いつめたあまりに分け入ったこの山の中にさえ、哀しげに鳴く鹿の声が聞こえてくる。

A ③

 俊成は京都市伏見区深草に住み、お墓も深草にある。


第18問

Q 「憂しと見し世」の意味は?

①辛いと思っていた昔

②牛かたくさんいる光景

この歌の意味

 この先もっと長く生きていれば、辛いと思っている今この時もまた懐かしく思い出されてくるのだろうか。辛く苦しいと思っていた昔の日々も、今となっては恋しく思い出されるのだから。

A ①

第19問

Q この作者の作品には、月や何が多く登場するか?

①星

②花

③虹

この歌の意味

 「嘆け」と言って、月が私を物思いにふけらせようとするのだろうか? いや、そうではない。(恋の悩みだというのに)月のせいだとばかりに流れる私の涙なのだよ。

A ②

 月と花を好んで歌に詠み、恋歌が多いことで知られる。

第20問

Q この作者=藤原定家 は、何をした人か?

この歌の意味

 松帆の浦の夕なぎの時に焼いている藻塩のように、私の身は来てはくれない人を想って、恋い焦がれているのです。

A 百人一首を選んだ。

 「小倉百人一首」を選んだ人として知られている。この歌のように叙情的な作品を得意とし、「有心体(うしんたい)」という表現スタイルを作った。

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