練りに練った週末練習会を終えて…
結論を言えば、大成功だった。前回とは、雲泥の差。心の底までズドーンとくる実感があった。なんの実感かというと…みんなの「本気」「やる気」「負けん気」「上達」などなど。
今までになかったくらい、事前に時間をかけて、あれこれと考えていたからこそだと思う。今回良かったところを書き出しておこうと思う。
①自分の思いを表出する場面を創ったこと。
例えば、練習色の決定を、計画では、くじで行う予定だった。しかし、実際は、多数決にした。少しでも、「自分たちで決めた」という流れにしたかったからだ。と、いうよりは、「先生に決められた」という受身な思考にしたくなかったからだ。「自分はこうしたい。」と意思を表出することや、「自分の希望通りにならなかったけど、ま、いいか!」と気持ちを切り替える経験をすることも、大事だと思う。
👉2時間という限られた時間内では、5色全てを行うことは出来なかった。今回は、希望順で、青、桃、橙のみ。今回できなかった色を、次回は優先してやるか、それともその色の魅力が実感できるようなプログラムを組むか、次回までに考えておく。
②ペアでの活動を取り入れたこと。
前回の反省から、ライバル意識以上に、今回は仲間意識を重要視していくことを、練習開始前に話した。(ここで言う仲間意識とは、仲間と共に上達していこうとする「向上心」、仲間と共に頑張れたという「達成感」をも含んでいる。)
事前の説明では、「ペアは、先生が適当に決めてあげます。」と言っていた。しかし、実際は、「自分たち同士で声を掛け合ってごらん。」とその場で変更。「自分から声をかける」ことすらできなければ、仲間意識なんてできないだろう、と思ったからだ。どうしても自分から声をかけにいけない子もいたが、その子の変容を今後は見守っていこうと思う。
③今からやるメニューの必要性を感じられるような事前の声かけをしたこと。
「今からきおく力あっぷっぷをします。百人一首で大事な、何の札がどこにあるかを覚える力がきおく力だね。今の自分は、まだまだきおく力が足りていない、もっと伸ばしたいと思う人?もう伸ばせないくらいきおく力が身についていると思う人?(0人)じゃあ今からやる練習は、みんなにとって意味があります!」と価値付けてから、練習に入った。みんな、メニューの目的や価値を理解して、真剣に取り組むことができていたと思う。
④自分の好きな札or得意な札を選べるようにしたこと。
ペアでの最初の活動として、お互いの好みを確認しながら、札を10枚ずつに分ける作業をすることになる。子供たちは、その場に20枚を広げて、せーのと言いながら、希望の札を一枚ずつ取っていく方法を編み出していた。それもいいなと思った。
その後、自陣に10枚を並べて、目を閉じて(アイクローズ)、指さしながら上の句を言っていく(ポインティング)活動になるが、自分で選んだ10枚でやることになるので、無理なく「記憶力」を伸ばす活動に入ることができた。
⑤助け合える設定をしたこと。
お気に入りの10枚を並べて、記憶した札を、アイクローズポインティングしていくが、その際「止まってしまったら、ペアの人がヒントを出すこと」をルールとして設定した。ヒントの出し方は、何文字かを言ってあげるとか、数秒目を開けてよいとする、など。
それでも、キツそうだったら、「何枚かもらってあげようか?」としても良い、つまり、15枚まで増やして(5枚まで減らして)良いという優しいルールを設定した。
👉次回はさらに新メニューを上乗せしたい。(例①「対面同時ポインティング」=向き合って、指導者が読み上げる札を2人で同時に指差す。例②「相手陣取り」=対面した状態で、相手陣の札のみ取って良い。)
⑥ゲーム&ご褒美の要素を取り入れたこと。
自陣ベスト10で、17枚を読み上げていくが、自分のマットに並んだ札が全てなくなった人は、ご褒美ポイント1p獲得!とした。獲得ポイントが多い子には、後で、先生オリジナルのシール(大量に作っている)をプレゼント、とした。そうすることで、3回とも、夢中で取りに行き、17枚読み終えるまで集中して聴く姿に繋がったと思う。(ペアから何枚か引き取って11枚以上でやっていた人は、10枚を取り切ればその場に残っていてもOK!というルールも追加した。)
👉次回までに、今品切れ中のシールを再印刷して用意しておくこと。
⑦リーグ戦でのリーグ分けを希望制にしたこと。
上級者リーグと中級者リーグの二つに分ける必要があった。それを教師から決められ、振り分けられる、という受身なシステムにはしたくなかった。「上級者の部でやりたい人?」と立候補させたことで、意外な子が立候補した。その子は、結果は惨敗だったが、振り返りでは「強くなりたいという気持ちがいい!」と力強く褒めたし、指導者として嬉しく思うことを話した。
⑧「本気の3試合」という表現を常に言い続けたこと。
リーグ戦は、ローテーションして相手を変えながら、3試合を行う。3試合後に、「3勝した人」をみんなで褒め称える場面設定をするのだが、1回でも負けたら、残りの試合は「消化試合」になってしまう恐れがある。しかし、「本気の3試合、2試合目を始めます。」などと、ことあるごとに、「本気の」と声をかけた。
⑨拍手に心をこめることを事前に指導したこと。
前回はトーナメント、今回ならリーグ戦、1位になった人が受けて嬉しい拍手って、どんなものか、事前の練習では、みんな大きな音を叩き出した。しかし、そこには、勝者に対する心はこもっていない!この後、本気の試合をやる中で、悔しさやら、尊敬やら、感謝など、いろいろな気持ちが生じたら、それを拍手の音に乗せて届けられるように、そして、全体が温かな雰囲気になったら、その次こそは自分が!と頑張れるような気持ちを得られる。「たかが拍手、されど拍手」である。
⑩自分の力に応じて、難易度のハードルを上げられるようにしたこと。
例えば、「自陣ベスト10」では、3回する。「変化のある繰り返し」という原則を生かして、1回目は、ゆっくり=確認。2回目は、早く(速く)=向上。3回目は、決まり字&5文字=さらなる向上。という具合に、読み方にも変化をつけた。さらに、各自でできる「スパイス」として、「目を閉じていい」という選択肢を示してあげた。ほとんどの子は、アイクローズに挑戦していた。
いつも、振り返りで、「先生の話」をさせてもらう。今回の話は、①リーグ戦決めの時に「強くなりたい気持ち」が表れていたKさんの例から、みんな「強くなりたい」と思って、ここに来ているんだよね、という確認。みんながそういう気持ちをもっているのと同じく、先生もこの連休中ずっと百人一首のことを考えていたこと。今までの教え子にしてきたのと、同じ練習を君たちにさせるつもりは全くないこと。変化、進化、進歩、成長していきたい、という競技者である君たちと同じ思いを、指導者として持っているということも語った。
ああ、次回の練習会が楽しみだ!
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