【94番】蹴鞠の師範の元祖!!参議雅経!!


ジャンル:秋
時代:鎌倉時代 
超要約:古都の余韻

歌の意味(子ども向け):秋の吉野、しみじみとしていいカンジ!
歌の意味:奈良の吉野の山に、秋風が吹きわたる。夜がふけて(吉野という)かつての都は寒々とわびしく、衣を砧(きぬた)で叩く音が響いている。


☟この首に関するクイズ

Q 「衣うつ」とは、当時の女性の仕事である。〇か✖か?
 

A 〇
 「衣を打つ音が聞こえてくる」という意味である。女性が夜にした仕事で、砧(きぬた)という柄のついた太い棒で衣を叩き、柔らかくして光沢を出した。
👇語呂合わせ(覚え方)


 秋の夜寒を、山風に運ばれてくる寒々とした砧(きぬた)の音によって、とらえています。「古今和歌集」の「み吉野の山の白雪つもるらし ふるさと寒くなりまさるなり」(坂上是則)(さかのうえのこれのり)を本歌とした”本歌取り”であり、本歌の冬の寒さを秋の寒さに変化させたばかりでなく、それを聴覚的にとらえたところに新しさがあります。

 「み吉野」の「み」についてですが、「み」は美称の接頭語と言って、ほめる時の呼び方、上品な呼び方です。リズムを整える役割もあります。「衣うつ」についてですが、布を柔らかくしたり光沢を出したりするために、砧(きぬた)という木や石の台の上に、布を置いて木づちで打つことです。

 作者の参議雅経(さんぎまさつね)は、後鳥羽院(99番)の命(めい)により、参議という役職についたことからこう呼ばれました。藤原俊成(83番)に和歌を学びました。和歌に優れ、「新古今和歌集」の撰者の一人となりました。他にも、蹴鞠や書にも優れていました。歌と蹴鞠で有名な師範・飛鳥井家(あすかいけ)を興しました。


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