【91番】早熟の天才!!後京極摂政前太政大臣!!


ジャンル:秋
時代:鎌倉時代 
超要約:虫と寝る秋

歌の意味(子ども向け):コオロギの声がするよ。お前のいないひとりの夜に。
歌の意味:こおろぎが鳴いている、こんな霜の降る寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を自分で敷いて、独り(さびしく)寝るのだろうか。
☟この首に関するクイズ

Q 百首の中で「昆虫」が歌われているのはただ一首だけ!それが、この札!
 ここで言う「きりぎりす」とは、キリギリスのことである。〇か✖️か?

A ✖️
「きりぎりす なくや霜夜のさむしろに〜」の「きりぎりす」は、コオロギのことである。

👇語呂合わせ(覚え方)


 「衣かたしき」とは、自分の衣の片袖を敷いて、ということから一人寝を表します。晩秋の寒い夜の、わびしい気持ちを詠んでいます。

 「きりぎりす」とは、今のコオロギのことです。百人一首に唯一登場する虫です。「さむしろ」とは、「寒いむしろ」(「むしろ」=わらやすげで編んだ敷物のこと)」のことです。

 「衣かたしき」について、平安時代は、男性と女性が一緒に寝る場合は、お互いの着物の袖を枕代わりに敷いていました。「片敷き」は自分の袖を自分で敷く寂しい独り寝のことです。

 作者の後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)とは、藤原良経(ふじわらのよしつね)のことです。法性寺入道前関白太政大臣=藤原忠通(ふじわらのただみち)(76番)の孫で、前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)のおいにあたります。祖父も父も「関白」という超エリート家系です。早熟の天才で、10代の頃の歌が「千載集」に7首載せられています。また、後鳥羽院(99番)のもと、「新古今和歌集」を監修し、仮名序を執筆。摂政太政大臣にまで上りつめましたが、2年後に38歳で刺殺されました。


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