【87番】「新古今和歌集」の幻の撰者!!寂蓮法師!!


ジャンル:秋
時代:鎌倉時代 
超要約:湿っぽい秋

歌の意味(子ども向け):雨上がりの景色の移り変わり・・・なんと美しいのだ。
歌の意味:にわか雨が通り過ぎていった後、まだその滴も乾いていない杉や檜の葉の茂りから、霧が白く沸き上がっている秋の夕暮れ時である。

☟この首に関するクイズ

Q 「村雨」の意味は?
①にわか雨
②激しい雨
③村の雨 

A ①
 秋のにわか雨のことである。 

👇語呂合わせ(覚え方)


 後鳥羽院により開かれた歌合で、「若い組」と「年配組」に分けて行わました。その時に作者は「年配組」の一人として出席し、その場で詠まれた歌です。秋の夕暮れ、にわか雨の後の山の景色に感動し、詠んだものです。上の句では、木(こ)の葉に残るしずくを近くから見ています。下の句では、音もなくたちのぼってくる霧を遠くに捉えています。近くの景色と遠くの景色、二つの景色を重ね合わせ、しかも、とどまることなく変化する自然を描いています。

 「村雨」とは、「一時的に強く降ってはやみ、やんでは降る雨」「秋のにわか雨」のことです。「まき」は、「真木」と書き、スギ・ヒノキ・マキなどの常緑樹の総称。「上等な木」という意味です。

 作者の寂蓮法師(じゃくれんほうし)の俗名(出家する前の名前)は、藤原定長(ふじわらのさだなが)です。子どもがいなかった藤原俊成(ふじわらのしゅんせい)(83番)の養子になりましたが、その後、定家たちが生まれたので、定長は出家しました。「新古今和歌集」の撰者の一人でしたが、完成前に亡くなりました。その結果、「撰者」とはされていないそうです。ものすごく口惜しいことでしょう。


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