【76番】75番の約束を破った僧!!法性寺入道前関白太政大臣!!


ジャンル:他
時代:平安時代 
超要約:波の雲の波

歌の意味(子ども向け):白い波が、まるで雲のようだ。なんて雄大な景色!
歌の意味:広い海を、たくさんの島々を目指して漕ぎ出して行ったよ、と都にいる人々には告げてくれ、漁師の釣り船よ。

☟この首に関するクイズ

Q この歌は、どんな状況で歌われたものか?
①今から船旅に出るぞ。
②島流しの刑にされてしまった。

A ②
834(承和元)年に遣唐使の副使に選ばれ、836(承和3)年に唐に向けて出発しましたが難破して帰国。
837年の再出発の時に破損した船に乗せられそうになり喧嘩をしたため、当時の嵯峨天皇の怒りにふれ、2年間隠岐に流された。
後に文才を惜しまれ、都に戻され参議にまで出世している。
👇語呂合わせ(覚え方)


 この歌は、崇徳天皇の前で行われた歌会で、「海上の遠望」の題を与えられて詠まれた歌とされています。大海原が目に浮かぶような、スケールの大きな歌です。上の句では、大海原のながめをえがき、下の句では、はるか遠くの水平線に目線を絞っていきます。そこでは、空の白雲と海の白波が一つにとけあい、どこが境目なのかわからなくなっています。海と空の青さと、その間にある白という色のコントラストが、絵のようにきれいです。

 「久方の」は「雲居」にかかる枕詞(まくらことば)で、「天・空・日・月・光」などにかかります。「枕詞」は、和歌の中である言葉の前に置くように決められた言葉です。基本的に5音で、歌全体に対して特に意味のつながりは持ちません。

 作者の法性寺入道前関白太政大臣とは、藤原忠通(ふじわらのただみち)です。「法性寺(ほっしょうじ)」とは、作者がいた寺の名前です。「入道」は、仏の道に入った者、つまり僧です。「前(さきの)」とは、「前の」という意味です。「関白」や「太政大臣」をつとめました。四代の天皇につかえて、関白を3度、太政大臣を2度、摂政を3度つとめた大政治家です。後に出家して法性寺入道(ほっしょうじにゅうどう)と呼ばれました。和歌だけでなく、書道も巧みで「法性寺流」の祖となりました。


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