【73番】神童と呼ばれたインテリ政治家!!前中納言匡房!!


ジャンル:春
時代:平安時代 
超要約:霞空気読め

歌の意味(子ども向け):かすみよ、いじわるしないで。山頂の桜を見たいんだ。
歌の意味:遠くにある高い山の、頂にある桜も美しく咲いたことだ。人里近くにある山の霞よ、どうか立たずにいてほしい。美しい桜がかすんでしまわないように。

☟この首に関するクイズ

Q この歌で言う「高砂」とは、何か?
①高級な砂
②高い山
③播磨国(今の高砂市)

A ②
 「高砂」は、高く積もった砂だということから「高い山」の意味である。播磨国(現在の兵庫県南西部)にある高砂とは違う。
👇語呂合わせ(覚え方)


 内大臣藤原師道の屋敷で、「遙かに山桜を望む」という題で詠まれた歌です。霞は遠くの山桜をかくしてしまうので、どうか立たないでほしいと詠むことで、はるか遠くの山桜の美しさを間接的に表現しています。

 「高砂」とは、もともとは、砂が積み重なって小高くなっている所を意味します。この歌では、「高い山」という意味で、人里から遠く離れた所にある高い山をさしています。一方、「外山」は、人里の近くにある低い山のことです。この対比が効果的です。つまり、ここでの「高砂」は、地名ではないということです。 

 作者の前中納言匡房(さきのちゅうなごんまさふさ)=大江匡房(おおえのまさふさ)は、、大江千里(おおえのちさと)(23番)の子孫です。大江家は、有名な学問の家柄で、8歳で中国の歴史書に詳しくなるなど「神童(しんどう)」と呼ばれ、学者としては異例の出世をしました。有職故実(ゆうそくこじつ)=「儀式や法令などの伝統的なしきたり」に通じ、説話集など著作も多く残しました。儒者(じゅしゃ)や漢詩人として有名な人物です。後三条天皇や白河天皇に仕えた政治家としても有名です。

 大江匡房は16歳で文章生に選ばれた後、京都・宇治市の平等院建立にあたって、時の関白藤原頼通が「寺院の門が北向きだが、古今に例はあるのだろうか」と問われ、すらすらと答えたとのエピソードがあります。


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