【69番】歌枕を旅した漂泊の歌人!!能因法師!!


ジャンル:秋
時代:平安時代 
超要約:紅葉運ぶ川

歌の意味(子ども向け):風に散るもみじと、川に流れるもみじ、どっちもいいぜ。
歌の意味:山風が吹いている三室山(みむろやま)の紅葉(が吹き散らされて)で、竜田川の水面は錦のように絢爛たる美しさだ。
☟この首に関するクイズ

Q この歌で対比されている、三室の山と龍田の川は、どちらも何の名所か?

A 紅葉
👇語呂合わせ(覚え方)


 三室山も竜田川も、古くから紅葉の名所として知られていました。この2つが組み合わさった歌は珍しくありません。しかし、この歌は、嵐で散った三室山の紅葉は、実は竜田川の錦を織り上げるために散ったのだという新しい趣向で詠まれています。(ちなみに、「錦」とは、「金や銀など色とりどりの糸で織った豪華な厚地の織物のこと」です。)

 この歌には、「三室山」と「竜田川」の2つの歌枕(和歌によく詠われる名所のこと)が盛り込まれています。作者の能因法師は、東北や中国地方、四国などの歌枕を旅した漂泊の歌人です。特に東北地方がお気に入りだったそう。ある時、想像で旅の歌を作ったものの、本当に旅をしたように見せかけるために、数日間日光浴をして、真っ黒な顔で旅の歌を発表したというエピソードもあるそうです。

 三室山は奈良県生駒郡にある神南備山(かむなびやま)のことです。紅葉の名所で、神が宿る山ともいわれています。

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