ジャンル:他
時代:平安時代
超要約:桜だけが友
歌の意味(子ども向け):山桜くん、私の気持ちがわかるのは君だけだよ。
歌の意味:(私がお前を愛しく思うように)一緒に愛しいと思っておくれ、山桜よ。この山奥では桜の花の他に知り合いもおらず、ただ独りなのだから。
☟この首に関するクイズ
Q 「もろともに」の意味は?
①一緒に ②たくさん
A ①
人っ子ひとり見えない山奥に咲く美しい桜は、作者にとって天からの賜り物のように見えたかもしれない。
つい、桜を人に見立て「一緒にしみじみ愛しいと感じておくれよ、山桜。お前の他に私の心を分かってくれる者はここにはいないのだから」と孤独をわかちあっている。
清廉な印象のある歌であるが、それは毎日の厳しい修行に対する一服の清涼剤の役割を、山桜が果たしてくれたからであろう。
👇語呂合わせ(覚え方)
作者が、大峰山(おおみねさん)(奈良の吉野郡)で山伏修行をしている時、山桜を見つけて、感動して詠んだという歌だと言われています。一人修行をする身には、山桜がなつかしく、孤独をわかちあえる相手だと思われたのでしょう。
作者の前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)は、山伏修験の行者(ぎょうしゃ)として有名です。10歳で父を亡くし、12歳で出家しました。近江の園城寺(おんじょうじ)=三井寺で修行をし、寺を出た後は、各地におもむいて、さらに修行を続けました。行尊は、加持祈祷(かじきとう)で病気を治す力が高く、皇族の病気を次々と治したと伝えられています。
三井寺は、関西屈指の桜の名所として、知られています。
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