【64番】小式部内侍をからかったことあり!!権中納言定頼!!


ジャンル:冬
時代:平安時代 
超要約:霧が晴れた

歌の意味(子ども向け):明け方の霧の立つ宇治川、すばらしい・・・。

歌の意味:明け方、あたりが徐々に明るくなってくる頃、宇治川の川面にかかる朝霧も薄らいできた。その霧がきれてきたところから現れてきたのが、川瀬に打ち込まれた網代木だよ。
☟この首に関するクイズ

Q この歌の季節はいつか?

A 冬
  歌は、美しい風景を歌った典型的な「叙景歌(じょけいか)」である。
 冬の夜明け頃、目を覚まして外を眺めてみた。すると夜闇がうっすらと明けてくるとともに、川霧が徐々に薄らいでいき、宇治川でしか見られない網代木の列が見え始めてきたあ。
 とても絵になる風景で、旅に出て変わった情景を眺めた時の楽しさが感じられる。
👇語呂合わせ(覚え方)


 作者が、冬の宇治で詠んだ歌です。宇治は平安時代に多くの貴族の別荘が建てられた土地で、そこを流れる宇治川の網代木は、冬の風物詩と言われるほど有名でした。「網代木」とは、「網代」=「竹などを編んで作った「氷魚(ひうお)」=「鮎(アユ)の稚魚」をとるしかけ」をかけておく杭(くい)のことです。

 ちなみに、「瀬」とは「川の浅い所」という意味で、「瀬々」は「浅瀬のあちこちで」という意味です。

 先日、宇治へ行ったのですが、宇治川の流れはとても速かったです!

 

 作者の藤原定頼(ふじわらのさだより)は、大納言公任(55番)の長男です。当時15歳の小式部内侍(60番)を「歌の上手なお母さまがそばにいなくて心細くないですか」とからかい、逆に「大江山」という名歌で歌才を見せつけられ、やりこめられてしまったという逸話で知られる人です。 

 容姿端麗で社交的な反面、小式部内侍をからかった時に、即興の歌で負かされて、そそくさと逃げ帰るなど軽率なところがあったようです。書や管弦がうまい趣味人で、正二位権中納言にまでなりました。


0コメント

  • 1000 / 1000