【61番】伊勢神宮の祭主の家系に生まれる!!伊勢大輔!!


ジャンル:春
時代:平安時代 
超要約:きょう最高

歌の意味(子ども向け):奈良から送られてきた桜、本当にきれいですね!
歌の意味:いにしえの昔の、奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で、ひときわ美しく咲き誇っております。
☟この首に関するクイズ

Q 作者の伊勢は、奈良から宮中に届けられた八重桜の献上品を、宮中で受け取る役に抜擢された。(その時、藤原道長から急に即興で詠めと言われ、即座に返したのがこの歌である。)
それまでこの役であったのは、誰か? 

①清少納言
②紫式部
③和泉式部

A ② 紫式部

👇語呂合わせ(覚え方)


 奈良から宮中に八重桜が献上された時、紫式部(57番)は受け渡し役を新入りの伊勢大輔(いせのたいふ)にゆずりました。すると、その場にいた藤原道長が、必ず歌をそえるものだと言って、伊勢大輔に一首詠ませたのが、この歌です。即吟(そくぎん)、つまり、その場ですぐに歌を作って詠んだそうです。人々はとても感動し、宮中全体が鼓(つづみ)のようにざわめいたそうです。

 「いにしへ」と「けふ」、「八重」と「九重」を対応させるという技巧を用い、美しく咲く桜の花とはなやかな宮中を結び付けて、当代が栄えることをたたえた、晴れの場にふさわしい歌と言えます。ちなみに、「けふ」は、「今日」と「京」の意味を掛けています。「八重」は「八重桜」のこと、「九重」は「宮中」のことを指しています。「いにしへの奈良の都」とありますが、平安京の時代からみれば、平城京の時代はすでに「古都」でした。

 作者である伊勢大輔は、生没年共に不詳です。大中臣能宜(おおなかとみのよしのぶ)の孫にあたります。伊勢神宮の祭主を務める大中臣家(おおなかとみけ)の娘であったことから、こう呼ばれました。一条天皇の中宮彰子(ちゅうぐうしょうし)に仕えていました。紫式部や和泉式部とも親しい間柄でした。

 ただ、いつも思うのですが、この歌のように即興で歌を詠むこともすごいですが、それをその場で聞いた人が、その歌の解説を聞かずとも、良さがわかるって言うのが、すごいなあと思います。


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