【50番】天然痘で21歳で夭逝した美男!!藤原義孝!!
ジャンル:恋
時代:平安時代
超要約:死ぬの中止
歌の意味(子ども向け):やっぱり、あなたとずっといっしょにいたい。
歌の意味:あなたのためなら、捨てても惜しくはないと思っていた命でさえ、逢瀬を遂げた今となっては、(あなたと逢うために)できるだけ長くありたいと思うようになりました。
☟この首に関するクイズ
Q 作者は80歳まで長生きした。〇か✖か?
A ✖
「末の世にもさるべき人や出でおはしましがたからむ(今後もこのような人は現れないだろう)」と言われるほどの美男で人柄も良かったのだが、痘瘡(天然痘)にかかってわずか21歳の若さで死去した。
👇語呂合わせ(覚え方)
この歌は、「後朝(きぬぎぬ)の歌」です。好きな人と初めて二人きりで過ごした後の朝、貴族の男性が家に帰ったら歌を詠んで手紙にし、これを使いの者に渡して、女性のもとに届けることになっていました。その時の歌です。
「長くもがな」は、長くあってほしいなあ、という意味です。かつては、恋のためなら命を捨ててもいいと思っていた身だけれども、願いがかなった今はできるだけ命長らえ、あなたと長く逢い続けていたい、という意味を含んでいます。
逢うたびにいっそうつのる恋心がよく表れています。しかも、恋が実る前と実った後の気持ちの変化を、自分の命を通してたくみに歌いあげています。
作者の藤原義孝(ふじわらのよしたか)は、謙徳公の子です。美しい貴公子で、和歌の才能もありました。書道に優れ、「三蹟(さんせき)」の一人です。家柄だけでなく、美男で人柄もよく、将来を嘱望されていましたが、21歳で天然痘(てんねんとう)という病気で亡くなりました。美男であったがために、疱瘡で顔に傷痕が残って醜(みにく)くなり自殺したとも言われているそうです。
作者が若くして亡くなったことを思う時、この歌はいっそうあわれに感じます。
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