【45番】財力、容姿、名声すべて兼ね備え 「梨壺の5人」を率いた!!謙徳公!!


ジャンル:恋
時代:平安時代 
超要約:もう死のう 

歌の意味(子ども向け):オレがいなくなったって、だれも泣いてくれないさ。
歌の意味:私のことを哀れだと言ってくれそうな人は、他には誰も思い浮かばないまま、きっと私はむなしく死んでいくのに違いないのだなあ。
☟この首に関するクイズ  

Q 「いたづらに」の意味は?
①いたずら
②無駄だ
③とっても良い

A ②
 「いたづら」は「はかない」とか「無駄だ」という意味で、「身を無駄にする」→「死ぬ」ことを意味する。しかもむなしい死に方である。
👇語呂合わせ(覚え方)


 恋人の女性が逢ってくれなくなった時に、詠んだ歌です。失恋の悲しみがよく表れています。一方で、だだをこね、もう一度相手を振りかえらせようとして詠んだ歌とも思えます。少し女々しい感じもしますが、平安時代の男性は、恋に対してまじめでした。

 作者名である「謙徳公(けんとくこう)」というのは、藤原伊尹(ふじわらのこれただ)が死後にもらったおくり名(その人の徳をたたえておくられる名前)です。晩年は摂政・太政大臣にまで昇進しました。自邸が一条にあったので「一条摂政」と呼ばれます。和歌所の別当として、当時の和歌の名手を集めた「梨壺(なしつぼ)の五人」(清原元輔・紀時文・大中臣能宣・源順・坂上望城)を率いて、「後撰和歌集」の選定に関わりました。才色兼備の貴公子だったようです。

 藤原伊尹は、「一条摂政御集(いちじょうせっしょうぎょしゅう)」という歌集を作りました。これは、伊尹自身が作った和歌と、架空の人物である倉橋豊蔭(くらはしのとよかげ)と女性8人の恋の話が織り交ぜられています。この歌は、この歌集の中で、倉橋豊蔭が詠んだ歌です。これが実話かどうかは、わかっていないようです。

 実際の伊尹は、財力、容姿、名声すべてを持っていた人です。派手好みであったため、父親が心配して遺言で「倹約しろ」と言い残したほどです。これほどモテて、で恋愛経験も豊富だったことを考えると、この歌はフィクションなのかな、と思えてきます。


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