【44番】おデブだったと間違われた笛の名手!!中納言朝忠!!


ジャンル:恋
時代:平安時代 
超要約:半端な愛情

歌の意味(子ども向け):ぜんぜん会えない方が、まだマシだ!
歌の意味:もし逢うことが絶対にないのならば、かえってあの人のつれなさも、我が身の辛い運命も恨むことはしないのに。(そんなに滅多に逢えないなんて)
☟この首に関するクイズ

Q この作者は、右近の恋人であったが、どんな体型だったか?

A 太っていた。
 立つことも座ることも苦しいぐらい、太っていたそう。
👇語呂合わせ(覚え方)


 「なかなかに」は、「かえって」という意味です。初めから出逢わなかったらよかったのに、という気持ちを詠んでいます。

 好きな人と一度は親しい仲になったものの、その後、相手の女性が冷たくなったことを恨み、嘆いた歌です。つまり、この和歌は、朝忠が失恋した時に詠んだ和歌だと言われています。

 しかし、この和歌は、40、41番の歌と同じ、天徳四年の内裏歌合のときに詠まれているので、相手を特定したものではありません。

 作者の中納言朝忠=藤原朝忠(ふじわらのあさただ)は、三十六歌仙の一人です。笙(しょう)(笛の一種)の名手でもありました。当然、モテたそうで、さまざまな女性と恋愛をしました。右近(38番)とも恋愛をしたそうです。ところが…

 『百人一首一夕語(ひとよがたり)』という江戸時代の本には、大変な肥満で大食漢であったと書いてあります。あまりに太って困るので、医者から水漬けにして食事制限をして、痩せなさいと言われたのですが、鮎やその他のおかずを大きな茶碗に乗せ、ご飯を山盛りにして、それに水を少しかけて、何杯もぺろりとたいらげていたそうで、結局痩せることはできなかった、という話が載せられています。ただし、現在では別の人物のことであったという学説が正しいと言われています。

 このように、まるで別人物と間違われてしまうのは、本人にとっては、嫌だったことでしょう。でも、この歌に詠まれている状況は、「あるある!」だと思いました。


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