【39番】超高齢出世した謎多き歌人!!参議等!!


ジャンル:恋
時代:平安時代 
超要約:好き過ぎる

歌の意味(子ども向け):かくしきれない。君を恋しく思うこの気持ち。
歌の意味:まばらに茅(ちがや)が生える、篠竹の茂る野原の「しの」ではないけれども、人に隠して忍んでいても、想いがあふれてこぼれそうになる。どうしてあの人のことが恋しいのだろう。

☟この首に関するクイズ  

Q この歌は、失恋の歌、片思いの歌、どちらか?
 

A 片思いの歌
 がまんし続けていてもあふれそうな恋の心を表現している。

👇語呂合わせ(覚え方)


 顔に出ないように、と思っていても、好きな人のことを考えていたら、つい顔に出てしまう、というあふれそうな恋心を詠っています。この歌の魅力は、あふれそうな恋心を「浅茅生の 小野の篠原」と組み合わせた、イメージの豊かさです。野原一面に生えている篠竹、さらにところどころに茅(ちがや)が生えている情景。風が吹くと、衣擦れのようにさらさらと一面波打つように篠竹がゆれて音をたてそうです。そういう美しいイメージをバックに、秘めた恋のことが歌われています。

 この歌には、元になった歌がありました。「古今和歌集」におさめられている"よみ人知らず"の歌「浅芽生の 小野の篠原 忍ぶとも 人知るらめや 言ふ人なしに」という歌です。この歌を、"本歌"にして、自分流に作り変える「本歌取り」という手法を用いて、恋心を詠んでいるのです。

 作者の参議等(さんぎひとし)は、嵯峨天皇のひ孫で、68歳の時に"参議"の職についたことからこう呼ばれました。本名は、源等(みなもとのひとし)です。歌人としての経歴は、「後撰和歌集」に4首入っていること以外、あまりわかっていません。



 歌の中に出てくる浅茅とは、現代のチガヤの事を指します。チガヤのつぼみは食べることができ、ほのかな甘みがあります。

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