【38番】フラれる歌の名手!!右近!!


ジャンル:恋
時代:平安時代 
超要約:貴方死ぬよ  

歌の意味(子ども向け):わたしは平気だけど、あなたには天罰がくだるわよ!
歌の意味:忘れ去られる私の身は何とも思わない。けれど、いつまでも愛すると神に誓ったあの人が、(神罰が下って)命を落とすことになるのが惜しまれてならないのです。
☟この首に関するクイズ  

Q この歌は、作者である右近の「恋愛の歌」なのか、それとも、「失恋」の歌なのか? 

A 失恋の歌
 泣きたい気持ちを抑えて、皮肉や嫌みのひとつも言ってやるのも心の強さであろう。

👇語呂合わせ(覚え方)


 恋人に捨てられても、なお自分のことより相手のことを心配する女心を詠んだものとされています。

 「惜し」は、「愛し(おし)」とも書いて、「大切で手放すのが惜しい」と、もったいなく思う気持ちを表します。「忘らるる身」=忘れられてしまう私の身、はどうでもいい。それどころか、ずっと一緒にいると神に誓っておきながら、それを裏切った男性はバチがあたるかも知れない、と相手の命を心配しているのです。

 この歌は、相手を想う右近の切ない気持ちを詠んだ、とも、愛の誓いを破った相手への皮肉、とも解釈することができます。本当は、どちらなんでしょうね?

 相手の男性は、43番の作者、藤原敦忠(ふじわらのあつただ)とされています。実際に、敦忠は38歳の若さで亡くなったそうです。

 作者の右近は、女流歌人で、父親が右近少将(うこんのしょうしょう)と言う役職についていたため、右近と呼ばれました。つまり、右近は本名ではないのです!!平安時代の女性は、皇族や大貴族の娘でない限り、名前は伝わることが少なかったので、右近の本名もわからないそうです。

 そんな右近ですが、華やかな恋が多く、「大和物語」には、藤原敦忠(あつただ)・師輔(もろすけ)・朝忠(あさただ)、源順(みなもとのしたごう)などとの恋愛が描かれています。しかし、右近の歌には、男性に捨てられる立場で詠んだものが多いそうです。「悲劇のヒロイン」といった感じがします。



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