【33番】「日本の春」をイメージづけたニート!!紀友則!!


ジャンル:春
時代:平安時代 
超要約:桜散るの早  

歌の意味(子ども向け):桜よ、そんなにあわてないで。もっとのんびりしようよ。
歌の意味:こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は落ち着かなげに散っているのだろうか。

☟この首に関するクイズ 

Q 「しづ心なく」とは、「静かにする気がない」という意味である。〇か✖か? 

A ✖
 「静心(しづごころ)」は「落ち着いた心」という意味である。
 「落ち着いた心がなく」という意味で、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法を使っている。
 👇語呂合わせ(覚え方)


 春ののどかさの中、散り急ぐ桜の花びらの風情をとらえた、静と動の対比がみごとです。時が止まっているようにうららかなのに、はかなく、もの悲しいようにも感じられます。この歌は、その後の「日本の春」のイメージに影響を与えました。

 作者の紀友則(きのとものり)は、紀貫之(きのつらゆき)(35番作者)のいとこです。40歳すぎまで、無官でした。つまり、現在でいう「ニート」です。その後も、官位の低い貧しい貴族でしたが、醍醐天皇のお声がかかり、「古今和歌集」を作ることになりました。紀貫之・凡河内躬恒・壬生忠岑とともに、編者の一人でしたが、完成前に60歳くらいの時に亡くなってしまいました。三十六歌仙の一人でもあり、「友則集」という歌集が残っていることからも、歌人として優れていたことがわかります。

 百人一首では、花が出てくる歌が6首あります。そのうち、4首は「桜」、1首は「梅」(35番)、1首は「白菊」(29番)です。

 「ひさかたの」は、日・天・空・月・雲・光など天体に関する語にかかる枕詞(まくらことば)で、それ自体に意味はありません。この歌では、「光」を導き出しています。


 今度、桜の時期に、🌸が散りゆく姿を見たら、きっと紀友則のこの歌を思い出すことでしょう。

 



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