ジャンル:恋
時代:平安時代
超要約:ゼロ目惚れ
歌の意味(子ども向け):まだ会ったことはないけれど・・・、でも好きなんだ。
歌の意味:みかの原から湧き出て、原を二分するようにして流れる泉川ではないが、いったいいつ逢ったといって、こんなに恋しいのだろうか。(一度も逢ったことがないのに)
☟この首に関するクイズ
Q この歌は、まだ会ったことの無い女性への恋心を歌っている。〇か✖か?
A 〇
👇語呂合わせ(覚え方)
この歌は、一度も逢ったことのない女性への恋心を詠っています。当時、貴族の姫君は、めったに住まいの外に出なかったので、うわさを聞いただけで女性に恋をするということがあったそうです。今では、信じられないような話ですね。
下の地図のように、木津川が流れる木津川市は、奈良県との境目にあるます。(ほぼ奈良県です!)
「みかの原 わきて流るる いづみ川」は、「いつ見」を導き出すためのフレーズであり、「序詞(じょことば)」といいます。この序詞自体は、"飾り"だとされています。しかし、いづみ川がみかの原を、分かれながら流れていくイメージは、入り乱れる恋心の様子を表すのに、一役買っています。
「いづみ川」とは、京都南部を流れる木津川のことです。「みかの原」とは、その北側の盆地一帯(下のマーク部分)をさします。
みかの原には、恭仁京の跡地があります。昔のごく小さな都だと思います。
作者の中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)とは、藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)のことで、三十六歌仙に選ばれるほど、有名な歌人だったそうです。屋敷が賀茂川堤にあり、「堤中納言(つつみちゅうなごん)」と呼ばれて、紀貫之らの大歌人たちがよく屋敷に出入りしていました。
紫式部の曾祖父で、三十六歌仙の一人です。従三位、中納言兼右衛門督(うえもんのかみ)まで昇進しました。出世のチャンスをくれた醍醐天皇のことを大変慕っていました。醍醐天皇が亡くなった際には、かなりショックをうけたそうです。約2年半後、兼輔も亡くなったとのことです。
今回、この歌について調べて、「みかの原」や「いづみ川」が、実在の地名だと知りました。それよりも何よりも、「恋に恋する」ということが、約千年前の時代にもあったんだというのが、面白く感じました。
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