【22番】官職は低くても歌人としては優秀だった!! 文屋康秀!!


ジャンル:秋
時代:平安時代 
超要約:嵐が荒した  

歌の意味(子ども向け):山+風=嵐、ことばあそびだよ!
歌の意味:山から秋風が吹くと、たちまち秋の草木がしおれはじめる。なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのだなあ。

☟この首に関するクイズ 

Q 「吹くからに」の意味は?
①吹いているから
②吹くとすぐに 

 A ②
 👇語呂合わせ(覚え方)


 この歌は、今までの他の歌のように美しい情景や、切ない恋心を歌った歌ではありません。上の句が一種の謎かけで、下の句が言葉遊びの種明かしなっています

 わかりやすく言うと、「山風が吹くと、すぐ秋の草木がしおれてしまいます。なぜでしょう?」正解は「嵐が吹いたから。」→説明:「山+風=嵐で、それが荒々しく吹いたからでーす。」と言ったところでしょうか!?

 真面目に言うと、「山風を嵐といふらむ」の部分に、言葉遊び的な遊び心が込められています。「山」と「風」の漢字の組み合わせで「嵐」(あらし)になります。この嵐は、「荒らし」という言葉とのかけ言葉でもあり、嵐の荒々しさを表している、というあたりに、遊び心が感じられます。

 ちなみに、「吹くからに」は、「吹くとすぐに」、「むべ」は、「なるほど」という意味です。

 作者の文屋康秀(ふんやのやすひで)は、六歌仙の一人で歌人としては有名でした。小野小町(9番の作者)とも交流があった、つまり恋仲にあった、とされています。官職は低かったのですが、三河掾(みかわのじょう)になって、三河国(現在の愛知県東部)に下るときに小野小町を任地へ誘った話が有名です。小野小町に「一緒に来てくれないか?」と誘ったのに対して、小町は、

わびぬれば 身を浮草の 根を絶えて 誘う水あらば いなむとぞ思ふ
(落ちぶれていますので、この身を浮き草として根を断ち切って誘い流してくれる水があるなら、ついて行こうと思います。)

と答えています。簡単に言うと、かつて絶世の美女と持てはやされた小野小町。年老いて誰にも相手にされなくなって、「そんな私でよかったら、ついていきますよ。」みたいな歌です。実際は、小町は落ちぶれて、八十島(松島)で野たれ死に(のたれじに)したらしく、何とも可哀想な最後をむかえたそうです。ここから考えると、小町は、三河国にはついて行かなかったのでしょうか……。

 


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