【13番】奇行目立つもピュアな恋歌!!陽成院!!


ジャンル:恋
時代:平安時代 
超要約:溜ってる恋

歌の意味(子ども向け): だんだんと好きになって・・・・、今は大好きだ!
歌の意味:筑波のいただきから流れ落ちてくる男女川(みなのがわ)が、最初は細々とした流れから次第に水かさを増して深い淵となるように、恋心も次第につのって今では淵のように深くなっている。

☟この首に関するクイズ  

Q この歌は、好きな人へのラブレターである。この恋心は、相手に届いた。〇か✖か?
 

A 〇
 この歌の作者、陽成院という人は、第57代天皇だったようだ。しかし、奇行が目立つ、直情的すぎるなどの理由で、廃位させられたとか。その後、即位したのは光孝天皇である。その光孝天皇の皇女に対するラブレターとして書かれたのがこの歌である。この歌を贈った後、願い叶って夫婦になれたらしい。 好きな人への思いを募らせている人には、勇気をくれる素敵な一首である。

👇語呂合わせ(覚え方)


 「筑波嶺(つくばね)」とは、茨城県の筑波山のことで、恋の和歌によく取り上げられます。山頂は、男体山(なんたいさん)と女体山(にゃたいさん)という二つの峰にわかれています。この山は、遠い昔に、男女が集まって歌を詠んだり踊りを踊ったりして、神様を祀る行事が行われたところとして、都の人たちに知られていました。

 また、「みなのがわ」は、筑波山から流れ出る川で男体山と女体山とのつながりから、「男女川」と書かれます。

 この歌の作者、陽成院(ようぜいいん)という人は、清和天皇の皇子で、10歳で第57代天皇に即位しましたが、病のために17歳で位を譲りました。しかし、実際は、奇行が目立つということで、藤原基経(ふじわらのもとつね)により、廃位させられた、ということのようです。

 奇行の具体例としては、カエルをヘビに食べさせて喜んでいた、人を木に登らせ、落として楽しんでいた、女子を誘拐して山荘に連れ込み、そこで仲間と遊んでいた等々、陽成天皇の奇行悪行に関しては、枚挙にいとまがありません。最もひどいのは、宮中で乳兄弟、源益(みなもとのまさる)を殺害した「宮中殺人事件」の容疑者とされたことでしょう。陽成天皇が退位に追い込まれた原因なのだとか。

 今では、その多くは、誇張あるいはでっち上げではないかと考えられています。記録に残っている陽成天皇の悪行は、権力争いに勝った政敵が、自分たちの正当性を主張するために編纂させたものだったのです。


 その後、即位したのは光孝天皇でした。その光孝天皇(第15番「君がため 春の野にいでて〜」の作者)の皇女(内親王)に対するラブレターとして書かれたのがこの歌でした。この歌を贈った後、願い叶って夫婦になれたんだそうです。

 好きな人への思いを募らせている人には、勇気をくれる素敵な一首ですね。



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