【1番】農民の苦労を思いやる!!天智天皇!!


ジャンル:秋 

時代:飛鳥時代 

超要約: しけた仮屋

歌の意味(子ども向け):いねかりの仕事は、たいへんなんだなあ!

歌の意味:秋の田圃のほとりにある仮小屋の、屋根を葺いた苫の編み目が粗いのふで、私の衣の袖は露に濡れていくばかりだ。 

☟この首に関するクイズ

Q 農民の生活を詠んだ歌は、いくつあるか? 

A 1つ。この歌のみ。  天智天皇は平安時代には、歴代天皇の祖として非常に尊敬されていた。この歌は元々、万葉集の詠み人知らずの歌だったがそういうイメージから、口伝で伝えられるうちに、天智天皇作とされるようになったようである。

👇語呂合わせ(覚え方)




 秋、稲の刈り入れの時季です。番人として仮小屋で夜を過ごす際には、着物の袖が、濡れ通しとなり、その冷たさに耐えながら、朝まで過ごすのです。そのように、苦労をして米を作る農民のことを、天智天皇は大切に思っていました。百首の中で、農民の生活を詠んでいるのは、この一首だけです!

 稲作とそれに携わる農民は、国家の繁栄の基盤となるものです。百人一首を撰んだ藤原定家は、日本の繁栄と和歌の原点がここにあると考え、この歌を百首の最初に置いたのであろうと言われています。

 この歌は、本当は天智天皇のものではない、とする説もあるそうですが、農民を大切にする天智天皇ならこの歌を歌ったに違いない、この歌のイメージにぴったりだ、という思い込みから、天智天皇作とされてきた、という記事も読んだことがあります。

 天智天皇は、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と呼ばれていた皇太子時代に、中臣鎌足(なかとみのかまたり)と共に、大化の改新を行いました。蘇我氏を倒し、飛鳥から近江(おうみ)の大津宮(おおつのみや)に遷都(5年後には廃都となる…)、公地公民や税制の確立など、律令制度を整備しました。(班田収授法は、天智天皇が始めました。)また、日本で初めての水時計(漏刻(ろうこく))を作らせ、時を知らせました。また、日本で最も古い和歌集「万葉集」を代表する歌人でもあります。

 天智天皇は、全国かるた選手権が開催される近江神宮に祀られています。近江神宮は、琵琶湖の西側に位置しています。ちなみに、百人一首2番の歌人、持統天皇は、天智天皇の娘です。


 
 漏刻というのは…

漏刻は水の流れ方が一定であることを利用したもので、四段の水槽の上段から順々に水が落ちていき、最下段の水槽に水が入ると、その水の量が増すに従ってそこに浮かべてある矢が浮き上がり、矢に付けた目盛を読むことにより時刻を知るようにしたものです。水槽を四段にすることにより、水槽の中の水量によって水圧が変わり流量も変わるのを防ぐことができます。(下図)

(近江神宮のHPより引用)

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